物流業界

【2024年問題】物流業界の課題を分かりやすく解説!ドライバーの働き方改革とは

2024年問題によりドライバーに危機が迫っています。

2024年問題って最近よく聞くけど何??といった疑問をお持ちではありませんか?

私は物流業界で10年以上、全体管理を行い運送会社や配送会社をみてきました。

今回は2024年問題でおこる課題と解決策を分かりやすく解説します。

まずは2024年問題の全体像だけでも把握したい!!といった方の参考になれば幸いです😄

この記事では

2024年問題を分かりやすく解説しています

物流業界の「2024年問題」とは

2024年問題とは、働き方改革法に伴う「時間外労働時間の上限規制」などが2024年4月から「自動車運転の業務」にも適用されることで懸念されている物流業界のさまざまな問題です。

物流業界は現時点でもドライバーが不足しており、深刻な問題になっています。2024年問題に対応するには、早急に対策を講じる必要があります。

物流業界ではドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されます。

つまり、トラックドライバーは「法定労働時間+年960時間」の範囲内であれば働くことができます。

この上限規制には6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金という罰則が付いています

出典:「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」厚労省

2024年問題による物流業界の課題

物流業界には以下の3つの課題があります。

2024年問題により、今のうちに対策を講じない場合企業の存続すら危うくなります。

①ドライバー不足 ②物量増 ③人材の高齢化

ドライバーの人材確保、深刻な人手不足

物流業界では深刻なドライバー不足となっております。

低賃金・長時間労働のイメージが強く、若い人に人気がないのも原因です。

運送企業の85%は人手不足を実感。トラック運転手の需要は伸び続ける一方で、それに追いつくほどの人員が足りていないといえます

物量増に伴うトラック運転手の需要は伸びていますが、一方でドライバーは不足しているという申告な状況です。

出典:トラック運送業界の現状と課題、取組について(全日本トラック協会)(PDF:1785KB)

Eコマースの活発化による物流量の増加

需要が高まる背景として、Eコマースなどの物流量の増加があります。

Amazonや楽天を筆頭にEC市場が拡大するにつれ、利用者もどんどん増加しています。

それにともなって運送企業は、サービスの内容だけでなく、物流のスピードや品質においても競争を加熱させています。消費者にとって、すぐに商品が届くこといった便利になっている一方で、ドライバー不足を感じている企業もまた増加傾向にあります。

出典:統計からみるトラック運転者の仕事|国民のみなさまへ|トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト

人材の高齢化

高齢社会である日本では、物流業界で働くドライバーもまた高齢化しています。

厚生労働省によると、大型トラックの運転手の平均年齢は49.4歳、中型トラックの運転手の平均年齢は46.4歳と全産業と比較し高い状況です。
国土交通省によると、29歳以下の若年層は全体の10%以下とされています。

主戦力である層が一斉に定年となれば、ドライバー不足はさらに深刻化します。

出典:統計からみるトラック運転者の仕事|国民のみなさまへ|トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト

2024年問題の物流業界への影響とは

物流業界が抱える課題が解決されないまま2024年4月を迎えた場合、企業収益を直撃します。2024年問題で大きく懸念されているのは次の3つです。

①運送企業:利益が減る

②ドライバー:収入が減り、離職率が上がる

③荷主:物流コストの上昇 

物流・運送企業の売上・利益が減る

時間外労働時間の上限規制が設けられることで、ドライバーの労働時間が減り、会社全体の対応可能業務量も減少するため売上や利益が減少する恐れがあります。

もともと慢性的な人材不足という課題も抱えているため、単純に業務量を増やすこともできません。

ドライバーの収入が減り、離職率が上がる

ドライバーの中には、時間外労働を行っている人が多く、残業代によって一定以上の収入を確保している人も少なくありません。そのような人たちの労働時間が減ると、収入も減少するため、ドライバーの生活にも影響を与える可能性があります。

従来と同水準の給与を保証できなくなれば、ドライバーの離職が進み、人材不足がさらに深刻化する恐れがあります。

荷主の物流コストの上昇 

2024年問題の影響で、運送会社の売上・利益が減少します。

運賃を増額すれば、運送・物流会社は売上および収入の減少分を補えるでしょう。

よって荷主側には標準的な運賃や、燃料サーチャージの導入など、適正運賃の支払いが求められています。このことが、荷主が負担する物流コストの上昇につながることが懸念されます。

2024年問題にむけて行うべき施策

労働環境の改善と情報発信

労働環境や待遇を改善し、働きやすい環境づくりが不可欠です。

福利厚生は、従来の住宅補助や食事補助に加え、家族関連のサポートなど、昨今のニーズに合わせた検討が望ましいでしょう。働きやすい環境をアピールすることで人材確保につながります

また、ドライバーに知ってもらうための、情報発信も重要です。

運送会社の中には、労働環境の改善を行っているにも関わらず、情報を発信していないために存しているところは多くあります。悪いイメージを払拭するためには、積極的に自社の取り組みや従業員の働き方を公開し、継続して情報を発信しましょう。

SNSの普及により運送企業が情報発信する場にも適しています。

DX化による業務効率化

物流業界の仕事は、「きつい」「大変」といったイメージを持たれやすいです。

とくにドライバーの仕事は、長時間労働にくわえて配送ノルマや厳しいスケジュールに対応することもあるので、負担が大きいのが現状となっています。

しかしながら近年はAIやIoTを活用した自動化や機械化の取り組みが始まっており、業界全体でDXが進められています

経営者にとっては業績アップとホワイト化を両立するのは大変ですが、労働環境を整えることで従業員に長期的に高いモチベーションで働いてもらえれば、結果的に業績の向上にもつながります。 

物流DXについてのおすすめ書籍はこちら

多様な人材の受け入れ

人材確保には女性活躍はかかせません。女性のトラック運転手は全産業の平均より低く、2%ほどしかありません。女性の活躍は物流2024年問題にとって大きな課題となっています。

女性の活躍⁉トラガールについてはこちらから

シニア人材、女性などが活躍できるようドライバー業務を分割し、短時間の働き方ができるようにする
などの取り組みを行えば、これまで働く意欲はあるが、個人の状況・理由によって働けなかった」人材を活用できるようになるでしょう。

https://logishoku.com/matchingkeihai/

まとめ

今回は、物流業界の2024年問題について、課題の詳細と対策をご紹介しました。

2024年問題は避けることができませんので、今のうちの対策を講じていく必要があります。業界にとって大きな課題ではありますが、乗り越えて物流業界をホワイトなイメージにしていきたいですね。